所在地：大阪市都島区
用　途：企業主導型保育園
種　別：リノベーション
竣工年：2017年3月
延床面積：92.14㎡
構　造：鉄骨造(躯体部)
規　模：地上1階

協力：
グラフィック／M8-Motto- 野口真弥
壁画／スペースデザインカレッジ 福田恭子
照明計画／DAIKO 石堂伸悟
サイン／図造　金沢成勇

施工：
株式会社 澤井工務店 澤井久和

写真：
笹の倉舎 笹倉洋平
※写真8~10は三木 夕渚

メディア：
「室内 id+c 」12月号 280# 掲載
中国建築学会室内設計分会

事業所内保育事業を主軸として、多様な就労形態に対応する保育サービスの拡大を狙い、内閣府が新たにスタートした「企業主導型保育園」になります。

政府が待機児童解消加速化に向けて、保育の受け皿の整備目標を加速させている中で、企業主導型保育事業の創設によって、一層の保育の受け皿整備を行うという、非常に社会的背景のあるプロジェクトであると捉え、単に街に量産化されている「保育ルーム」ではなく、企業が街に創る保育園として、企業のカラーを打ち出し、街の顔となるような保育園を目指しました。

企業の業種は人材派遣会社で、「人と人をつなぐ」お仕事であることから、「つながる」デザインをテーマとしていきました。

ここは0歳～2歳児までの小規模な保育園となるので、年齢別に個室化するのではなく、運営上で緩やかなパーテーションで仕切る事とし、水周りと収納部を奥で膨らんだ既存空間に納めることで、シンプルな１ルームの保育空間としています。

そして、水周りや収納部の出入口と壁を、連続したアーチの「垂れ壁」をあしらうことで、空間の中にリズムと楽しさを与えました。

この垂れ壁はフリーハンドの曲線を持ち、こどもの目線から、多様で自由な発想を誘うと共に、外部から内部へと、また内部から外部へと、伸びやかにつながっていく視覚効果を与えることで、街とのつながりも意識しました。

社会的促進として、単なる待機児童の受皿としてだけではなく、本当の意味で企業が主導となって、街に対しての新しい働きかけをしていく保育園の在り方が提案されていくことを願っています。