所在地：大阪市北区国分寺
用　途：ヘアサロン
種　別：リノベーション
竣工年：2016年4月竣工
延床面積：
構　造：鉄骨(躯体）
規　模：地上1階

協力：
グラフィック／株式会社シンビシン 吉田那奈子
照明計画／DAIKO 石堂伸悟

施工：
hatugokoro 株式会社 伊藤優 中野健二

メディア：
「New BeautySalon Design」アルファブックス
「ku!kan Vol.11」プラット

■国分寺に呼応する「和」のサロン

敷地は大阪市北区にある国分寺の対面に面した環境にあり、オーナーから求められたテーマは、「和」のサロンであった。
古い町家を改修出来るなら兎も角、マンション一階のスケルトン空間からどのように「和」の空間を創り出す事ができるのかを模索した。

まず平面計画として、京町家に見られる鰻の寝床のような奥に長い空間であったため、縦列にカットブースを設ける事にし、通り土間に見立てた奥へと抜ける視線のシークエンスに、古建具を点在させる事を着想し、蓄積された時間を持つ古建具を、空間の中で再構成して、新たな居場所を与える事により、新しいアイコン性を獲得させることを試みた。

国分寺に呼応するがの如く、辛子色に染められたファサードは、禁欲的ながらもオーナーが信楽で特注した狸がひょうきんに鎮座する。

「茜さす.日は照らせれど.ぬばたまの.夜渡る月の.隠らく惜しも」
国分寺を建立した聖武天皇の即位時代に詠まれた万葉集に、陽と月を詠んだこんな枕詞がある。

まさしく国分寺公園を挟む敷地環境により、店内には陽が深く射し込み、月に見立てた雪見障子が、訪れた者を奥へと優しくいざなうサロンである。